「共起ネットワークの設定」における「係数の表示」についての質問

[yoichigithubneko]

お使いのKH Coderのバージョン

3.Beta.03a [Perl5.14.2, Perl/Tk 804.03]

ご質問の内容をお書きください

■お使いのOS
Windows 11

■スクリーンショット

■分析しようとしているのは何語のテキストですか？
日本語、英語、フランス語

■ご質問の内容
共起ネットワークを作成するにあたって、オプション画面で「係数の表示」にチェックをいれると、各ノードを接続する「エッジ」に「09」や「26」のような数字がマークされます。以下、係数の表示について質問が3つあります。

1. これらの数字はノード間の「共起の頻度」あるいは、接続の重み（共起の強度）のどちらをあらわしているのでしょうか？
2. 「共起の頻度」をあらわしている場合、たとえば語「私」と語「K」の間のエッジに「26」とマークされていたなら、これは分析対象のテキスト（コーパス）でこれらの二つの単語が26回共起しているという意味でしょうか？
3. いずれにしても、エッジに表示される係数の数字が大きいほど、語と語のつながりが大きい（高頻度、あるいは高強度）と解釈してよろしいでしょうか？

初歩的な質問かもしれませんが、お答えいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

[ko-ichi-h]

マニュアル + AlphaのA.5.10節、とくに「描画する共起関係（edge）の絞り込み」「共起の程度をあらわす方法」あたりをお読みいただけますでしょうか。その上で、マニュアルのこの記述の意味が分からない！といった点がありましたら、あらためて書き込みしていただけますと幸いです。

なお「09」「26」ではなく、「.09」「.26」かと思います。

それから、KH Coder 3 Beta版のサポート（積極的な改修）は終了していますので、たとえば論文に掲載されるような重要な分析については、KH Coder 3正式版のご利用をお勧めいたします。おそらく、同じ分析結果になろうかとは思うのですが。

[yoichigithubneko]

ご返信をありがとうございます。
「係数の表示」について、先生の著書のご指示された箇所を拝見してました。
（『社会調査のための計量テキスト分析』、p185）
『「.09」や「.26」などの係数は社会ネットワーク分析でいう「密度（density）」を示す』、ということは納得できたのですが、
『「密度」とは、「実際に描かれている共起関係の数」を、「存在しうる共起関係（edge）の数」で除したものである』という箇所が正しく理解できているかあやしいです。

「実際に描かれている共起関係の数」
⇒出力した共起ネットワークに実際に描かれている共起関係の数：A
「存在しうる共起関係（edge）の数」
⇒出力した共起ネットワークにでてこなかった（KHCoderにより除外された）共起関係（edge）を含んだ全体の数：B

となり、密度＝A/B

という理解であっていますでしょうか？

また、「KH Coder 3 Beta版」についてのご指示をありがとうございます。
「論文に掲載」する予定の分析にKHCoderを使用していおりますので、「KH Coder 3正式版」をダウンロードしたいと思っております。
私は現在大学の非常勤講師をしているのですが、「アカデミック・ライセンス」を購入することは可能でしょうか？

[ko-ichi-h]

『「.09」や「.26」などの係数は社会ネットワーク分析でいう「密度（density）」を示す』

えっと、密度は下図の赤い四角形で囲んだ.09ですね。一方でエッジ上に記載されているもの、例えば.14とか.16などが共起係数です。

「実際に描かれている共起関係の数」
⇒出力した共起ネットワークに実際に描かれている共起関係の数：A
「存在しうる共起関係（edge）の数」
⇒出力した共起ネットワークにでてこなかった（KHCoderにより除外された）共起関係（edge）を含んだ全体の数：B

となり、密度＝A/B

はい、上図の場合「N 37, E 60」ですから、 $B = _{37}C_2 = 666$ で $A = 60$ です。よって密度は $60 \div 666 \fallingdotseq 0.09$ になります。

ac.jpで終わるメールアドレスをご使用可能でしたら、アカデミック・ライセンスをご購入いただけるものと思います。

[yoichigithubneko]

ご返信をありがとうございます。
密度と共起係数について、図をアップロードしていただけたのでよく理解できました。

※60 ÷ 666 ≒ 0.09 という式について、
・60 ⇒ edge の数
・666 ⇒ 37 x 36 ÷ 2
「37 x 36」 は 37個のnodeが他の36個のnodeとつながる全パターンで 「÷2」 となっているのは、nodeA ⇔ nodeBという二重接続を除外するため
と理解しました。間違いがあれば、ご指摘いただければ幸いです。

.14や.16といった共起係数については、「数値が大きいほど共起の頻度が高い（.14よりも.16の方が共起の頻度が高い）と理解しておけばよろしいでしょうか？
また、共起係数はどのような計算式で求められるのでしょうか？可能であればご教示いただければうれしいです。

「KH Coder 3正式版」を「アカデミックライセンス」でダウンロードしたいと思います。

[ko-ichi-h]

.14や.16といった共起係数については、「数値が大きいほど共起の頻度が高い（.14よりも.16の方が共起の頻度が高い）と理解しておけばよろしいでしょうか？
また、共起係数はどのような計算式で求められるのでしょうか？可能であればご教示いただければうれしいです。

マニュアルに記載されている通り、デフォルトの共起係数はJaccard係数です。

Jaccard係数の計算法などについては 公式入門書 の14.5節で詳しく説明しています。

[yoichigithubneko]

ご返信をありがとうございます。

係数について、理解できました。ご丁寧に教えていただきたいへん助かりました。
引き続きKHCoderを使用してテキスト分析の勉強をしていきたいと存じます。

また自分で解決できないことがあれば、ここに質問を書きますので、その時はどうぞよろしくお願いいたします。